いよいよ、本格的にTOEICの勉強を始めようと思ったときに、
どこで勉強すると効率がアップするでしょうか?
自宅?
図書館?
それとも、どこか特別な場所・・・?
このページでは、TOEICの勉強におすすめの場所と、
場所別の効果的な学習で得点アップできる方法をご紹介します。
1.「勉強」は、どこですると効果的?
試験勉強は、どこですると効果的でしょうか?
「そんなこと、急に聞かれても、試験にもいろいろあるし・・・」
そう答えたくなりますよね。
たしかに、試験勉強といってもいろいろあります。
すぐに思いつくだけでも、
- 小学校、中学校、高等学校の入学試験
- 小・中・高の学力試験や期末試験
- 高等専門学校、短大、大学の入学試験
- 高専・短大・大学の単位認定試験
- 車の運転免許を取得するための試験
- 就職試験
- 各種資格試験
など。
それぞれ、特徴が違うので、勉強する項目もさまざま。
項目が違えば、勉強に適した場所も変わってきますよね。
たとえば、
車の運転免許であれば、「自動車学校」。
就職試験であれば、「技術面や面接の指導をしてくれる学校」かもしれません。
学生時代の試験勉強
では、ここで、質問です。
学生時代に、最も試験勉強がはかどった場所はどこでしたか?
こう聞かれれば、範囲がより明確になるのではないでしょうか。
たとえば、
- 自宅
- 図書館
- 塾や予備校
- ハンバーガー・ショップなどのファストフード店
- 電車や車での移動中
学生時代であれば、このような答えが返ってくると思います。
では、
これから受ける試験がTOEICだったら、どうでしょう?
TOEICと言うと、学生時代の試験勉強とはまったく別物に感じてしまうかもしれません。
たしかに、
- まったく異なる部分
- 共通の部分
の両方がありそうです。
TOEICのための勉強
では、TOEICのための勉強を考える前に、TOEICの特徴を見ていきましょう。
TOEICの特徴は、
- 必要な単語のうち、3,400語は高校までに習った単語
- 必要な文法項目は、高校までに習った範囲
- リスニングの問題は、45分で100問
- リーディングの問題は、75分で100問
- リーディング問題のうち、54問が長文読解
- 全体に、ビジネス知識を問う問題が出題される
上の6つのなかで、学生時代の試験勉強と共通なのは、
#1:必要な単語数のうち3,400語
#2:文法項目
これらは、高校までに習った範囲です。
一方、学生時代の試験と異なるのは、
No. | TOEICの特徴 | 問われる内容とかたち |
#1 | 3,400語以外の単語 | 主に「ビジネス」単語。 |
#5 | 54問の長文読解 | 主に「ビジネス」関連文書。 |
#6 | ビジネス知識 | リスニング : 英語ネイティブによる会話やナレーションの聞き取り リーディング: 長文読解問題で出題される文書の解釈 |
ということになります。
つまり、TOEICは、
・ビジネスで頻出の「単語」
・リーディング問題の半分以上を占める「長文問題」
・リスニング、リーディング共に出題される「ビジネス」の知識
に着目して対策する必要があるということです。
では、どこで勉強すれば効果が上がるのでしょうか?
2.TOEICの「勉強」におすすめのスポット
TOEICの勉強におすすめのスポットはつぎの3つです。
- 通勤時や移動中の電車やバス
- 図書館
- カフェやファミレス
では、一つずつ、詳しく説明します。
1.通勤時や移動中の電車やバス
1つ目は、「通勤時や移動中の電車やバス」。
TOEICの勉強で、もっとも困難なことは?
という質問に対して、TOEIC学習者の多くが、
「勉強時間の確保」
をあげています。
たしかに、忙しい現代では、
1日のうち、自由になる時間はわずかかもしれません。
とは言うものの、
比較的、短期間でTOEICの目標点に到達した受験者の多くが、
「1日2.5時間~3時間は勉強した」
と答えているのも事実。
そうした時間を確保するには工夫が必要です。
そこで、有効活用したいのが、
通勤時や移動中の電車やバス
こういったスポットに向いている学習項目については第3章で紹介します。
2.図書館
2つ目は、「図書館」。
学習環境として、最初に思い浮かぶ場所の一つですよね。
「図書館」の良いところは、主に3つ。
- 勉強に適したスペース(机と椅子)が自由に利用できる
- 参考にできる書籍や資料が豊富にある
- 静かで、集中できる環境が整っている
特に、3番目の「集中できる環境」は重要です。
たとえば、
自宅や友達の家で勉強しようと思っても、さまざまな誘惑があって思うように進まない
そんな経験はないでしょうか?
自宅では、
TVやスマホが、魅力的なコンテンツ(観たい番組やアニメ、始めたら最後、夢中になってしまうゲームなど)で誘惑
友達の家では、
友達がコレクションしているマンガやゲームに没頭し、ひと段落ついて、話し始めたらもう止まらない
なんてことも。
これでは、勉強どころではありませんよね。
そのため、一定時間、集中して勉強するためには、
誘惑がない場所
である必要があるというわけです。
「図書館」に向いている学習項目はつぎの章で紹介します。
3.カフェやファミレス
3つ目は、「カフェ」や「ファミレス」。
「カフェ」が勉強に向いている理由は、主に次の3つ。
- #2で見てきたような誘惑がない
- 適度に雑音がある
- 集中するための飲料がすぐ飲める
このうち、特に#2の「適度に雑音がある」ことは、意外に重要です。
どういうことかと言うと、
TOEICの試験会場は、一般に、
大学構内や商業施設の会議室など
広く静かな場所。
とは言うものの、
試験中は、
・ 他の受験者が問題冊子のページをめくる「音」や解答用紙にマークする「音」
・ 試験官が見回りのために、会場内を歩く「音」
などの音があります。
そういった音を含めて、周りにたくさんの人がいるなかで問題を解くことになるため、
ある程度の雑音がある環境に慣れておく
ことは重要です。
一方、最近は「カフェ」以外にも、
1人ずつの席を確保できる
店が増えています。
たとえば、「ファミレス」。
ドリンクバーの利用ができることからも、「カフェ」同様に人気だと思います。
ひとつ難点があるとすれば、その名の通り、もともとはファミリー向け。
そのため、
少し「雑音」が多い
かもしれませんね。
「カフェ」と「ファミレス」どちらにしても、
「図書館」に適した項目とは学習項目が異なります。
詳しくは、つぎの章で説明します。
3.「勉強場所」別の効果的学習法
ここからは、勉強場所別の効果的学習法です。
上では、TOEICの「勉強場所」として、
- 通勤時や移動中の電車やバス
- 図書館
- カフェやファミレス
について見てきました。
では、それぞれの場所に適した学習項目にはどんなものがあるでしょうか?
1.通勤時や移動中の電車やバス
1つ目は、「通勤時や移動中の電車やバス」に向いた学習項目です。
通勤時や移動中は、
出発地から目的地までの時間を利用
します。
大体どれくらいの時間を確保できるかが事前に分かるので、
その時間内で終わる学習項目
を選びます。
乗車一回あたりに確保できる時間は数分~数十分だと思いますので、
おすすめは、
・ 単語の学習
・ 文法項目の復習
単語を覚えたり、文法項目の復習をしたりすることは、比較的単調な作業です。
単調な作業を続けるには、「習慣化」が鍵になります。
つまり、
いつも決まった時間に決まった場所で
という移動中の条件は、この「習慣化」にもってこいです。
そこで、参考書やアプリを利用して
・ 単語の学習
・ 文法項目の復習
を「習慣化」してしまいましょう!
2.図書館
2つ目は、「図書館」での学習項目です。
どの街にも、公共図書館がありますよね。
そうした図書館の利用は、どちらかと言うと、平日よりは週末が多いと思います。
そこで、おすすめのプランは、
- 週末を午前と午後の4回に分ける
- そのうち、1~2回を図書館での勉強にあてる
こう決めておくと、1回2時間としても、週末に2時間~4時間を確保できることになります。
1回2時間
そう。TOEICの試験時間は2時間です。
そこで、
図書館では、
- TOEICの問題を最初から最後まで解いてみる
ことができます。
また、
- リスニングの問題だけを解いてみる
- リーディングの問題だけを解いてみる
- リーディングのうち長文問題だけを解いてみる
など、まとめて取り組めるものが向いていると思います。
なお、TOEICの特徴としてあげた「ビジネス知識」は、
リスニング :英語ネイティブによる会話やナレーションの聞き取り
リーディング:長文読解問題で出題される文書の解釈
というかたちで問われる内容です。
そこで、
リスニングやリーディングの問題を解くときは、
どのようなかたちで「ビジネス」の知識が問われるのかに注目
して進めると、勘がつかめると思います。
3.カフェやファミレス
3つ目は、「カフェ」や「ファミレス」での学習項目です。
おすすめなのが、
「ディクテーション」
*ディクテーションとは、聞こえてきた音声を書き取るトレーニング:効果は、「リスニング力」「推測力」の強化など。
聞こえてきた音声を書き出してみる作業です。
そこそこ雑音があるなかで、音声を聞きながら書き取るのは、なかなかハード。
だからこそ、いい練習になります。
ディクテーションの手順は、
- TOEICの問題など、英語の音声を聞く
- 聞き取れた箇所を書き出してみる
- #1と2を何回か繰り返して、完全な文章にする
- 書き出した文章とスクリプトを比較する
- 間違った箇所の特徴をメモしておく
この順番。
では、一つずつ説明します。
1.TOEICの問題など、英語の音声を聞く
最初に、
音声も聞ける文章(スクリプト)を用意します。
この練習には、TOEICの問題が最適です。
TOEICの問題集であれば、リスニング問題だけでなく、リーディングの問題にも音声ファイルが付いているものがあります。
その際、いきなり長い文章から始めると疲れてしまうので、
短いものから始めて、慣れてきたら、少し長めのものにチャレンジする
と良いでしょう。
2.聞き取れた箇所を書き出してみる
つぎに、一文ずつ(TOEICの問題であれば、一問ずつ)音声を聞いて、聞こえた箇所を書き出してみます。
このとき、無理に一文を書き出すのではなく、
聞き取れた箇所だけ
を書き出します。
始めは「一単語」だけでもO.K.
慣れてきたら、
チャンクと呼ばれる意味の塊ごとに書き取る
練習をしましょう。
たとえば、
つぎの文章の「ディクテーション」をする場合
Q. Are you available at three P.M. on Friday for a staff meeting?
訳:金曜日の午後3時に(予定されている)スタッフミーティングに参加できますか?
この文章は短いので、一度に聞き取れるかもしれませんが、
チャンクごとに書き取ると、
Are you available/ at three P.M./ on Friday/ for a staff meeting?/
となります。
3.#1と2を何回か繰り返して、完全な文章にする
つぎに、#1と2を何回か繰り返して、完全な文章にします。
さきほどの
Are you available/ at three P.M./ on Friday/ for a staff meeting?/
を例に説明しますね。
たとえば、
(Are you available)/ at three P.M./ on Friday/ for a staff meeting? /
( )の中の言葉が書き取れなかったとします。
その場合、もう一度音声を聞いて、
( )の中を埋めていきます。
一度聞いただけで、全部書き取れた場合には、この手順はスキップしましょう。
4.書き出した文章とスクリプトを比較する
つぎに、#3で完成させた文章とスクリプトを比較します。
ここで、重要なのは、スクリプトと合わせることで、
どの箇所が聞き取りにくかったのかを確認する
こと。
問題や選択肢を読むスピーカーにもよりますが、おそらく、聞き取りにくい発音がいくつかあると思います。
そこで、あなたにとって、
聞き取りにくいのは、どんな「音」なのか
それを理解するための行程です。
5.間違った箇所の特徴をメモしておく
最後に、
間違った箇所の特徴をメモ
しておきましょう。
特徴には、
- #4で確認した、聞き取りにくい「音」
- 見たことも聞いたこともない「単語」
- 聞いたことはあるが、スペルがわからない「単語」
- 書き取れるが、意味がわからない「単語」
- 「単語」だと意味が分かるけど、「チャンク」ではわからない英語
など、いろいろあると思います。
それを、項目別にメモしておきましょう。
こういったメモは、つぎにリスニングやリーディングの問題を解くときに活きてくると思います。
4.そのほかの「勉強場所」
今回の勉強場所にはあげていませんが、
自宅や一人になれる場所
は、リスニングの強化に向いています。
なぜなら、
遠慮せずに声を出せるため
たとえば、
「カフェ」でディクテーションした文章を、
「自宅や一人になれる場所」でシャドーイング
しておくとリスニングの良い練習になります。
*シャドーイングとは、聞こえてきた音声の後を追って復唱するトレーニング:
効果は、「リスニング力」「瞬発力」「発音」強化など。
シャドーイングは、自分の声を使って行うトレーニング。
そのため、「自宅や一人になれる場所」が最適というわけです。
4.おすすめの参考書・アプリ
ここからは、それぞれの勉強場所で使いやすい参考書やアプリをご紹介します。
TOEICの勉強におすすめのスポットは、
- 通勤時や移動中の電車やバス
- 図書館
- カフェやファミレス
この3つでしたね。
では、一つひとつ見ていきましょう。
1.通勤時や移動中の電車やバス
1つ目の「通勤時や移動中の電車やバス 」。
向いているのは、
・ 単語の学習
・ 文法項目の復習
など、比較的単調な作業です。
単調な作業を「習慣化」するために便利なのが「アプリ」。
「スタディサプリ TOEICテスト対策コース」
ガイドに沿って、ほぼ自動的に学習モードに入りたい方のためのプログラムです。
ゲーム感覚で進められるため、単調な作業でも楽しく進められると思います。
(詳しくは、こちら)
2.図書館
2つ目は、「図書館」。
「図書館」に向いているのは、
・ TOEICの問題を最初から最後まで解いてみる
・ リスニングの問題だけを解いてみる
・ リーディングの問題だけを解いてみる
・ リーディングのうち長文問題だけを解いてみる
など、まとめて取り組めるものです。
そこで、おすすめは、TOEIC用の問題集。
「公式TOEIC Listening & Reading 公式問題集」
こちらは、公式教材です。
TOEICテスト開発機関であるETSが実際と同じプロセスで問題を収録しています。
そのため、TOEIC公開テストと傾向が同じです。
また、リスニングの音声の一部は実際のテストと同じスピーカーが担当しているため、リスニング問題に慣れるのに最適です。
リーディングの問題にも音声ファイルがついています。
全問を通しで解く練習用としても、必ずおさえておきたい問題集です。
(「公式問題集」は何冊も発行されていますが、新形式採用以降のものはどれも有効です)
もう一冊は、TOEICの研究をし尽くした、
「[音声DL付]TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+ 究極のゼミシリーズ」
本物そっくりの模試3セット・600問を収載。
リーディング問題にも音声ファイルがついています。
3模試すべて、公開テストのスコアが予想できる「換算点表」付き。
とても丁寧な解説がついているので、疑問を残さずにつぎに進めます。
3.カフェやファミレス
3つ目は、「カフェ」や「ファミレス」。
「カフェ」や「ファミレス」でのおすすめは「ディクテーション」でした。
「ディクテーション」
には、#1のアプリと#2の問題集のどちらも使えます。
(アプリについて、詳しくはこちら)
5.まとめ
このページでは、TOEICの
場所別:効果的学習法による得点アップ術
をご紹介しました。
あなたにとって快適な場所をたくさん見つけて、TOEICの勉強を楽しく進めてくださいね。