TOEIC【Part3,4の先読み】これで安心!もっとも効果的な取り入れ方を段階別に解説

TOEICのPart3と4といえば、かならず出てくる「先読み」というワザ。

ほんとうに効果はあるの?

気になりますよね。

じっさい、使い方によって効果はプラスにもマイナスにも。

そこで、「先読み」のもっとも効果的な取り入れ方をわかりやすく解説します。

段階別に取り入れることで、大きな効果が期待できますよ!

1. TOEICの「先読み」とは?

TOEICの勉強をはじめると、かならず目にする「先読み」というワザ。

得点アップにつながるなら、ぜひ取り入れたいですよね?

でも、その前に、

  • 「先読み」の意味
  • 「先読み」のメリット
  • 「先読み」の弱点

この3つについて見ていきたいと思います。

「先読み」は大きな効果が期待できるだけに、しっかり「取扱い説明書」を確認しておきたいところ。

では、一つずつ順番に説明します。

「先読み」の意味

1つ目は「先読み」の意味です。

TOEICの「先読み」とは、一言でいえば、

本文の放送を聞いたり、本文を読む前に、設問や解答の選択肢を見ておく

手法のこと。

特に、

  • リスニング :Part3とPart4
  • リーディング:Part7

これらのパートでは、この手法をうまく取り入れると、大幅な得点アップが期待できると言われています。

[ このページでは、Part3と4を中心に説明しています。Part7での「先読み」については、パート別のページで紹介します。]

たとえば、リスニングのPart3は、

2人または3人の「会話」を聞いて、関連する3つの設問に答える問題

そこで、Part3の「先読み」とは、

これから、どんな会話が展開されるのか、その内容を予測するための準備

になります。

これは、リスニングのPart4についても同様です。

Part4は、

1人のスピーカーによる「説明トーク」を聞いて、3つの設問に答える問題

「説明トーク」は、1つ当たり30秒以上と長めです。

そのため、

「説明トーク」を漫然と聞いていると、正解につながる重要な情報を見過ごしがち

そこで効果を発揮するのが、この「先読み」手法

あらかじめ「設問」や「解答の選択肢」を見ておくことで、話の展開を予測しながら聞くことができと考えられています。

そうだとすれば、「先読み」を取り入れることは、良いことずくめかと思いきや、

じつは、「取り扱い」を間違えると、かえってマイナスになってしまうことがあるのです。

2. TOEIC Part3, 4での「先読み」のプラス面とマイナス面

ここでは、TOEICで「先読み」することのプラス面(メリット)とマイナス面(弱点)について説明します。

さきほど、

Part3とPart4で「先読み」を取り入れると、「会話」や「説明トーク」の展開を予測しながら聞くことができる

そう言いました。

これは、大きなメリットです。

これまでの経験からも、TOEICにこの手法を取り入れることの効果は実証済みです。

しかし、

「先読み」はタイミングを間違えると弱点にもなり得る

どういうことでしょうか?

ここからは、「先読み」のメリットと弱点にわけて見ていきます。

Part3とPart4での「先読み」のメリット

まず、Part3とPart4で「先読み」することのメリットです。

Part3とPart4はリスニングの問題。

「先読み」を取り入れると、大幅な得点アップが期待されるパートです。

Part3の設問の例

たとえば、Part3の「会話」問題では、つぎのような設問が出題されます。

  1. Where do the women most likely work?
  2. Why is the man calling?
  3. What products does the shop sell?

このうち、1つ目と2つ目の設問には、「the women」「the man」と「人」を特定する言葉が入っています。

ここで、Part3を見てみると、

「誰が、何を、どうした」の流れを追うことで、正解が見つかる

このような特徴があります。

そのときに役に立つのが、この「人を特定する言葉」

あらかじめ設問を見ておくことで、「誰が」と「何を」を予測しながら聞くことができるというわけです。

ちなみに、

「most likely ~」は、TOEIC頻出表現。意味は、「もっともありそうな、可能性の高い」

3つ目の設問は、「What products does the shop sell?」なので、

「店で何かの製品が売られている」→ 「製品」が何かを聞き取ればよい

会話を聞く前に、このように推測することができます。

これが、「先読み」のメリットです。

では、Part4では、どうでしょうか?

Part4の設問の例

たとえば、Part4の「説明文」問題では、つぎのような設問が出題されます。

  1. Who most likely is the speaker?
  2. According to the speaker, what will happen next?
  3. Look at the graphic. When will the company launch the new project?

1つ目には、「the speaker」と人を特定する言葉が入っています。

そこで、この「the speaker」は、

説明トークをしている本人、または、トークの中に登場する人物のどちらか

ということになります。

そこで、設問を読んでおけば、「説明トーク」の聞き方も変わってくるのではないでしょうか。

2つ目は、「what will happen next?」なので、「次に何が起こるの?」とワクワクしながら聞くことができますよね。

「According to ~ 」は、TOEIC頻出表現。「~によると」という意味で設問文にもよく使われます

3つ目は、「Look at the graphic.:図を見てください」から始まっています。

そこで、いったん呼吸を整えます。

これに続くのが、「When will the company launch the new project?」なので、

「この会社が、いつ新しいプロジェクトを立ち上げるか」を図表から読み取るんだな

と、気持ちの準備ができると思います。

「launch【lɔːn(t)ʃ】」はTOEIC頻出単語。あとには 「project」や「campaign」などが続き「~を立ち上げる」という意味になります

このように、Part3とPart4では「先読み」をすることで、「会話」や「説明トーク」の内容をあらかじめ予測しながら聞くことができるでしょう。

なにも手掛かりがないまま放送を聞くのと違って、ちょっとした安心材料になると思います。

このメリットを考えれば、「先読み」を積極的に取り入れたいですね。

ここまで、Part3とPart4で「先読み」を取り入れるメリットを見てきました。

Part3とPart4での「先読み」の弱点

ここからは、Part3とPart4での「先読み」の弱点です。

「先読み」はもちろんメリットの方が大きいのですが、「取り扱い」を間違えると「弱点」にもなり得るので注意したいところ。

どういうことかと言うと、

TOEICは2時間で、リーディングとリスニングの問題各100問、計200問を解くテスト

そのうち、リスニング・セクションでは45分間で100問の問題を解きます。

リスニングのパート別では、次のような時間配分になっています。

リスニング

Part解答までの流れ(設問数)解答時間の目安
1写真を見ながら、解答の選択肢を聞いて解答する(6問)各5秒
2質問と応答の選択肢を聞いて解答する(25問)各5秒
3会話と設問を聞いて解答する(39問:3問x13セット)各8秒(図表は各12秒)
4説明トークと設問を聞いて解答する(30問:3問x10セット)各8秒(図表は各12秒)

上の表のうち、一番右の欄にある「解答時間の目安」を見てください。

Part3とPart4の1問あたりの解答時間の目安はそれぞれ「各8秒(図表問題は各12秒)」

つまり、Part3とPart4は、慣れていないと設問を「先読み」するのはかなりハード

「設問」を見ているうちに、

  • Part3では「会話」
  • Part4では「説明トーク」

これらの「放送」が始まってしまったということは、よくあることです。

冒頭には、設問の正解につながる情報が入っていることも多いため、

「先読み」をしていたために、大事な情報を聞き逃してしまった

そんなことにも。これが、まさに「先読み」の弱点になります。

では、どうすれば、この「先読み」を弱点にすることなく、確実にメリットとして効果を上げられるでしょうか?

キーワード(KW)は、

「慣れ」と「正確さ」

これを踏まえて、つぎは、Part3とPart4で「先読み」を取り入れるときの2つの条件を見ていきましょう。

3.Part3, 4での「先読み」の具体的な取り入れ方

ここからは、「先読み」の具体的な取り入れ方を見ていきます。

さきほど、

「先読み」を確実にメリットとして効果を上げるためのKWは、「慣れ」と「正確さ」

と言いました。

「先読み」の効果を得るためにはさらに、確実に抑えておきたい2つの条件があります。

そこで、はじめに、このKWと条件について見ていきましょう。

「先読み」を確実にメリットにする「慣れ」と「正確さ」

「先読み」の効果を上げるのに重要なのが、「慣れ」と「正確さ」。

この場合の「慣れ」とは、

設問のパターンに慣れて、文章を早読み*できるようになる

こと。

 *早読み:英語で書かれた文章をすばやく読みとる力

TOEICはパート別に、ある程度、設問のパターンが決まっています。

問題集などで問題を解き、設問の意図を理解することで、こういった設問のパターンが見えてきます。

その時点で、今度は、パターン別に文章を「早読み」する練習を取り入れると効果的です。

また、

「先読み」には、このように早く「設問」を読むこと以外にも、

設問の内容を正確に理解する

これが、重要です。

仮に、正確に「設問」を理解できない状況で、「先読み」を取り入れるとどうなるでしょうか?

「設問」の意味を誤解したまま、放送からヒントを探そうとしてしまう

こういったリスクが出てきます。

これでは、効果があるどころか、逆効果になることも。

そこで、

「慣れ」と「正確さ」

この2つが、「先読み」を確実にメリットにするためのKWになります。

問題を解くときは、この2つを意識して、「先読み」にとり組みましょう。

 TOEIC Part3,4で「先読み」を取り入れる2つの条件

ここからは、TOEIC Part3,4で「先読み」を取り入れる条件です。

「先読み」の効果を得るための2つの条件とは、

  • 「先読み」するタイミングを確認する
  • 「先読み」する項目を明確にする

では、一つずつ説明します。

Part3で「先読み」するタイミングを確認する

まず、「先読み」をするときの具体的なタイミングを確認しましょう。

ここでは、Part3の場合について説明します。

【「先読み」の手順とタイミング】

はじめに、手順(流れ)を見てみましょう。

1)ディレクション(パートの説明)の放送が流れている間に「1つ目」の設問を読む

このときに、「解答の選択肢」までは読まない(重要!)

2)ディレクションが終わると、

“Questions 〇〇 through 〇〇 refer to the following conversation.”
「何番から何番は、つぎの会話に関する問題です」

という放送が流れるので、完全に「会話」を聞く体勢を取って集中する。

3)「会話」の放送中は、設問の解答となりそうなヒントを探す。

4)「会話」が終了したら、1つ目の設問が読まれるので、解答する。

5)その後、2つ目の設問と解答 → 3つ目の設問と解答へと続く。

6)3つ目の解答が終わったら、次の問題の「1つ目」の設問を読む

7)以降、同じように問題を解いていく。

この方法で問題を解いていき、少し慣れてきたら、「会話」の放送が始まる前に読む設問の数を2つ、3つと増やしていく

特に、最初の問題はディレクションが流れている時間を利用して、設問1から3までを見てみるとよいでしょう。

最終的には、すべての問題の3つの設問を「先読み」できるようになる

これが、「先読み」のゴールです。

つぎは、Part4です。

Part4で「先読み」するタイミングを確認する

ここからは、Part4で「先読み」をするときの具体的なタイミングを確認します。

【「先読み」の手順とタイミング】

Part4の手順(流れ)です。

1)ディレクション(パートの説明)の放送が流れている間に「1つ目」の設問を読む

このときに、「解答の選択肢」までは読まない(重要!)

2)ディレクションが終わると、
“Questions 〇〇 through 〇〇 refer to the following xxxxx.”
「何番から何番は、つぎのxxxxxに関する問題です」
という放送が流れるので、「説明トーク」を聞く体勢を取る。
[ ポイント!]
xxxxxの部分は、
「advertisement:広告」
「excerpt from a meeting:会議からの抜粋」など、これから始まる「説明トーク」の内容です。

放送は大きなヒントになるので、聞き逃さないようにする

3)「説明トーク」の放送中は、設問の解答となりそうなヒントを探す。

4)「トーク」が終了したら、1つ目の設問が読まれるので、解答する。

5)その後、2つ目の設問と解答 → 3つ目の設問と解答へと続く。

6)なるべく3つの解答を早めに済ませて、次の問題の「1つ目」の設問を読む。

7)以降、同じように問題を解いていく。

このように、Part3と流れはほぼ同じです。

最終的には、すべての問題の3つの設問を「先読み」できるようになる

Part4でも、これが「先読み」のゴールになります。

「先読み」する項目を明確にする

ここからは、「先読み」する項目を決めましょう。

Part3とPart4の手順では、

「解答の選択肢」までは読まないことが重要!

こう言いました。

この理由について、「先読み」の種類から説明します。

【「先読み」には2種類ある】

「先読み」には2種類あります。

  • 「設問」だけを先読みする
  • 「設問」と「解答の選択肢」の両方を先読みする

この2つ。

どちらにするかは、「先読み」について説明している教材やサイトによってまちまちです。

個人的には、「先読み」に慣れていなければ特に

「先読み」は、設問のみ

こう決めておいた方が、確実に得点につながると思います。

Part4を例に、その理由を説明します。

たとえば、Part4では、つぎのような「設問」と「解答の選択肢」が出題されます。

公式TOEIC Listening & Reading 問題集7より抜粋

87. What does the speaker mean when he says, ”we’d like to have the computers for future classes?”

(A) The speaker is requesting donations.
(B) The speaker wants to renew a contract.
(C) The listeners should be careful.
(D) The listeners should complete a questionnaire.

訳:

話者は ”we’d like to have the computers for future classes? という発言で何を意味していますか?

(A) 話者は、寄付を要請している。
(B) 話者は、契約を更新したいと思っている。
(C) 聞き手は、気を付けるべきである。
(D) 聞き手は、アンケートに全て記入すべきである。

この問題は、話者が「コンピューターは寄贈品だ」と述べてから、利用者への注意喚起として話が展開するため、正解は(C)になっています。

注目すべきは、この「設問」と「解答の選択肢」の内容。

少し長めだと思いませんか?

しかも、解答の選択肢には、

(A) donations:寄付
(B) renew a contract:契約を更新する
(D) complete a questionnaire:アンケートに答える(すべて、記入する)

など、意味を知らなければ理解することが難しい表現が入っています。

わずか数秒の間に、この「設問」と「解答の選択肢」をすべて読んで理解したうえで、放送を聞くというのは簡単ではありません。

ましてや、

  • 正解は1つだけ
  • それ以外はすべて不正解の選択肢

です。

ここで、注意すべきが、

選択肢まで「先読み」することに意識が向いてしまい、放送の冒頭を聞き逃してしまう

こと。

慣れていないうちは特に、設問だけでなく選択肢まですべて読んでいると、放送開始に間に合いません

そこで、「先読み」するのは「設問」だけにしましょう。

英語を読んで聞くという作業に慣れてくると、ある時点で「選択肢」が気になってくると思います。

その時点では、好みの問題にもなるので、自分に合っている方を選ぶのがよいと思います。

実際、「読んでおいた方が解きやすい」という人と「読まないほうが先入観を持たずに聞ける」という人にわかれます。

ちなみに、わたしは、選択肢までは読まない派です。

ここまで、  TOEIC Part3,4での「先読み」の具体的な取り入れ方を見てきました。

「先読み」のKWは「慣れ」と「正確さ」

これには、とにかく練習が必要です。

公式問題集などをつかって、できるだけ多く練習しましょう。

でも、問題集だけでは、なかなかペースがつかめない。

専門家がつくったプログラムを活用して、さらに効率よく「先読み」したい

こういったニーズもあると思います。

そこで、つぎでは、このニーズに最適なアプリを紹介します。

4.さらに効率よく「先読み」したい!がかなうアプリ

ここでは、さらに効率よく「先読み」したい!がかなうアプリを紹介します。

問題集をつかった対策は、自分でリズムをつくることができれば、とても効果的だと思います。

しかし、

専門家がつくったプログラムを活用して、さらに効率よく「先読み」したい

この気持ちも、よくわかります。

じっさい、これから紹介するのは、このページで見てきた、

「先読み」のコツをつかんで、どんどん練習できるアプリ

むずかしく考えることなく、ガイドに従って進めるだけで効率的に勉強できます

そのアプリとは、

最近、テレビでもよく見かける ㈱リクルートの

「スタディサプリ TOEIC®L&R TEST対策コース」

TOEIC®L&R TEST対策コースには、2つあります。

1つ目は、

「スタディサプリ TOEIC®L&R TEST対策コース ベーシックプラン」

ひとりでコツコツというより、ガイドに沿って、ほぼ自動的に学習モードに入りたい方のためのプランです。

英語学習の新定番!スタディサプリ ENGLISH

スタディサプリにはさらに、一人ひとりの学習に特化したプランもあります。

「スタディサプリ TOEIC®L&R TEST対策コース パーソナルコーチプラン」

パーソナルコーチプランは、一人ひとりの学習に特化した「オーダーメイド」のプログラム

あなたのために作成された学習プランに沿って、コーチと相談しながら目標達成したい方に最適です。

いずれもタイトルのとおり、TOEIC対策に特化したプログラムです。

きめ細やかな指導に定評があります。

もうひとりで頑張らない。TOEICオンラインコーチスタディサプリENGLISH

各プランについて、こちらのページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

5.まとめ

このページでは、「先読み」の効果的な取り入れ方について詳しく見てきました。

「先読み」を取り入れることで、大幅な得点アップが期待できるのは、

  • リスニング :Part3とPart4
  • リーディング:Part7

この3パート。

Part3,4で「先読み」を段階的に取り入れるには、

  1. 問題集などで「設問」のパターンを確認する
  2. パターン別に文章を「正確」に「早読み」する練習を取り入れる
  3. ディレクションが流れている間に「1つ目」の設問を読む
  4. 同じ問題の3つ目の解答が終わったら、次の問題の「1つ目」の設問を読む
  5. 慣れてきたら、読む「設問」の数を2つ、3つと増やしていく

この順番です。

「先読み」の実践には、公式問題集などを使って、どんどん問題を解きましょう。

また、

専門家がつくったプログラムを活用して、さらに効率よく「先読み」したい

というニーズには、

「先読み」のコツをつかんで、どんどん練習できるアプリ

の利用がおすすめです。

「先読み」を効果的に学習に取り入れて、正解数を上げていきましょう!